●雨に向かいて月を恋う おまけ●

「ほう…これがみたらし団子か…」
不破はそれを一本手に取るとじっくりと眺めた。
傍らにはもちろん緑茶が湯気をたてている。
「そや、絶対美味いで?」
すでに二本も食べてしまったシゲが言う。
「ふむ、確かに見た目は美味そうだな。この茶色の液体はなんなのだ?」
「タレや。それがあるから美味いんやって。
ほら、考察ばっかせんとはよ食べり!固くなってしまうがな!」
いつまでたっても口に運ぼうとしない不破を見兼ねてシゲがそれを不破の口に持っていった。
いわゆる『アーン』状態。しかし不破は大人しく口を開いた。

パクリ もぐもぐ…ごっくん

「どや?」
一口食べおわった不破にたまらずシゲが聞く。

「そうだな…このタレの甘味が団子とよくあっている。
さらにモチモチとした食感。味も問題ない。よってこれは美味しいといえよう」
素直に美味しいといえばいいものをなにやら長ったらしい説明までついてきた。
しかしシゲは気にした様子もなくただ不破が美味しいといってくれたことを喜んでいる。

すると不破はもう一口、と言って口を開いた。
「まったく、不破りんは甘えん坊さんやなぁ」
くすくす言いながらも不破の口へみたらし団子を入れてやった。


結局シゲの手によってみたらしを一本たいらげてしまった不破であった。
するとあることに気付く。
「む?佐藤、手にタレが付いているぞ」
見るとたしかに右手にタレがついていた。
「あ、ほんまやん。みたらしは美味いけどタレがべたつくのはちょっと嫌やなぁ」
苦笑しながらそれを拭こうとする。
すると何を思ったのか不破はシゲの右手をとり、おもむろに眺めた。
「?不破りん?」
どうしたのかと、問おうとした瞬間

ペロリ

なんと不破がシゲの右手を舐めたのである。
シゲはびっくりして不破を凝視する。
そんな視線に気付いたのか、ゆっくりとシゲを見上げると不敵に微笑んだ。
その表情がとてもに色っぽくて、シゲはどんどん心拍数があがっていくのがわかる。

「…もしかして誘うとるん?」

こんなに挑発的な不破は珍しかったが、ニヤリと笑って問う。
すると不破が首に腕を絡めてきた。
「佐藤がそう思うのならそうなのだろう?」
首をいい感じに曲げ、とことん勝負する気である。
シゲは喉をゴクリと鳴らし乾いた唇を一舐めすると不破の耳元でつぶやいた。
「…どうなっても言うても知らんからな。誘ったのはそっちやで?」
もう、我慢できそうにない。

シゲはその裸体へ口を寄せた。
とても甘いような気がした。


END


はじめまして。雪ノ下と申します。以後お見知りおきを…
さて、ここまで読んでくださってありがとうございました!!
無駄に長くてすみません;そして別人な2人でもっとすみません;見事玉砕!って感じですね(苦笑)
とにかく不破に手を舐めて欲しかった。それだけです(笑)

 
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